人間は考える葦である

考えない方が役に立つっつー話かと思うこの頃。

A.I.を初めて見た。公開当時のCMとかで見て思ってたけど、子役がややブサイクだよなぁ。ボビーフィッシャーの少年ジョシュが可愛すぎたせいか。つまんなくて途中で何度も寝て起きて巻き戻して見た。SFとして、ホラーとして、哲学として見ると興味深い内容かも知れない(今となってはよくあるディストピアものではある)けど、エンターテインメントとしてはママに捨てられるまでと男娼ロボの辺り以外は映像自体からして実につまらなく、子役も最後まで可愛く見えず気持ち悪いせいで二時間も使って観るようなものではないな、という感想。最後の「なんでママはダメなの?!」のガチ切れ(確かに連中の「友達ならいけるで」のくだりは謎ではあるが、バックアップの取ってあるロボットの友達という意味なら納得)で「ひぇっ…」てドン引きしてしまった。感情移入できていれば「そうだよね、お母さんが恋しいんだよね」って思えるんだろうけど。で、最終的なオチとしては百万回生きた猫エンド。この辺の王道感からも元ネタの古さが伺える。しかし、ラストに至るまでの語りは、あれ映画の脚本としては下作じゃないの?ナレーションで説明とか\xA4

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 全体的に2000年代の映画ぽくなくて、なんか80年代辺りのSFとかそんな不気味な雰囲気がある。だもんで、いっそホラー全振りの演出、結論で作ればかなり評価上がるかもだけど。あるいはシザーハンズみたいな。結局、少年ロボに感情移入させる要因が、主演の少年頼みになっちゃってるんじゃないか。で、それが可愛く思えないと脱落する。

 最後らへんのブルーフェアリー?だかのアニメーション(DQ7の例のムービーみたい)とか含めて諸々全体的に気持ち悪くて不気味なのに、あまりそういう評価が浸透していないのは公開時に「スピルバーグの感動作!」みたいな感じで紹介されたからなんだろうか。これが神木君の幼少時代なら私も感動してたかも知れん。

 そういや関係ないけども、人間が愛玩動物やなんかを可愛がるのは、そうやって優しい気持ちになってる自分を好きになれるからだったりするのかな。「可愛い」言うてる自分が可愛い、てやつか。つまり、可愛い、というワードをこんなに使う私が可愛い。

映画「マイ・ガール」

 子役が可愛い、という評価を見かけて録画しておいてみた(A.I.と違ってw)。確かに主演の女の子もマコーレカルキンも可愛い。軽く見れる心温まるだけの話なのかと思っていたら、死が根底に流れている映画だと最初に気付かされる。そう言えば感想のどれかに「まさか死ぬなんて…」みたいのを見かけた気がして、ちょっとそれは忘れて観ることにした、けど、女の子が常に感じている死の匂いに苛まれてすぐに思い出してしまう。

 11歳の役にしてはなんか二人とも幼い気がするけど、昔はこんなもんだったっけ。女の子が蒲団をかぶって眠ろうとする姿に、眠れずに寝返りばかり打っていた日々を思い出した。失ったものは戻らない、それを改めて教えてくれる映画。早送りもしないで見れました。

 と言うかA.I.はなんであんなに受け入れられなかったのだろうか、スピルバーグの映画は別に嫌いじゃないハズなのだけど、と思ってフィルモグラフィ見たら、まともに観たことある映画BTTFくらいしかなかった…。あと遠い記憶の彼方にケープ・フィアーもある。こういうサイコスリラーものは私今も結構好きっぽい気はする。

吉高の「婚前特急

 あんなんででも女の子に相手されるだけ良いよなぁ、とか思いつつ見てたけど、徐々に吉高を見て「身につまされる」感が出てきて…。でもあんまちゃんとは鑑賞していない。と言いつつ最後まで見れて、まぁそうなるやろな、とは思ってたけど。最後まで見れる、って程度には映像とか嫌いじゃない感じだったけど、いくつも受賞したってのは流石に嘘やろ、としか。

こっから音楽。

 Heavenstampの「天国印鑑を聴きなさい」が予想以上に良い。フラゲ日に届かず、発売日に帰宅しても不在届けすらなかったのだけど、遂にやっと11日に聴けた。

 以前からPVが公開されていた「愛を込めて、ウェンディ」と「Plastic Boy Plastic Girl」のギラギラヒリヒリしたHeavenstampらしい曲で始まって、「夏の抜け殻」から「Dr. Moonlight」までのシンプルで若い、可愛さのある音とリリックが新鮮で良かった。

 「Around the World」で今までになかった曲を聴けて、「Monday Morning」の朴訥な歌声で何となく安心してたら、次の「ダークサイドへおいでよ」がトラックも歌もカッコよすぎて。

 「春の嵐」は電子音とか歪んだ音に綺麗な歌声の重なりが初期のド名曲「Morning glow」の系譜で最高の余韻。攻撃的なトラックが印象的だった前作Romantic Apartmentよりバンドっぽく耳当たりソフトになって更にバラエティに富んでる。最高傑作は伊達じゃない。