蘇る甘酒の話。

蘇る甘酒の話。

自給自足的な生活を目指していますというと、貧苦にあえいでいるイメージを持たれて、苦笑いすることが多々ある。確かに、金は無いが、ある意味究極の贅沢をしている部分もある。

例えば、この自家製の甘酒。俺の家は、俺が生まれて、3度目の家だ。生まれたときは、古い家だったのを親父が建て替えたが、金がなくて、中途半端だったので、俺が再び建て替えた。

で、それがどうよ?みたいな話しだろうが。菌の話しだ。古い家の時に、すごいいい菌がいて、めちゃくちゃ美味い甘酒が出来ていた。

しかし、その後、全員、仕事やら何やらで忙しくなり、甘酒を作ることもなくなっていたのだが、4・5年前から、再び、甘酒を作るようになった。

しかし、家を2度建て替えたせいで、昔の菌がいなくなっていて、思い出の味が復元できなかった。こんなもんだったのかなとか?

思い出を美化しすぎだったのかなとか?母親と話していたが、何とか昔の味に戻したいと、古い家の時代に使っていた木製の道具を探すが、ほとんど焼却していた。

ところが、ある日。物置の奥からしゃもじが一本出てきて、これに菌がいるんじゃ無いかと試してみたら、ビンゴ。

間違いなく、昔、子供の頃に飲んだ、我が家的甘酒が復活した。

だから?と言われそうだが、こういうのが、楽しくてやってる。

多分、火入れしない生の甘酒を知ってる日本人も少なくなってると思う。俺の家には、立派な先祖伝来の菌がいる。そう思うと、けっこう豊かな気持ちになる。

ブランド物のバッグを持つのも自己満足なら、自慢の発酵菌を持つのも自己満足。選ぶのは、各自の自由だ。そして、俺は、菌を選んだ。それが福光流籠城戦術。自己満足の世界にひたっています。